知床半島および道東旅行記。

Sunday, September 8, 2013 - Posted by Knz  at 11:41 PM
9月1日から4日まで、北海道に行ってきた。
今年は新卒君が我が後輩として部署に配属されたので、何と1周間連続で
休暇がとれたのだ。

それでは、知床半島および道東旅行記をお届けしたい。

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SEP1

朝日ケ丘公園、知床グランドホテル

羽田空港発女満別空港行きの便を目指し、朝から地元の駅発のリムジンバスに乗車。サンフランシスコ出張の時に見送りにきた息子がかねてより乗りたかったバスで、とても機嫌が良さそうだった。

羽田空港での待ち時間にアメックスのANAカードを作ることに。
どうやらかなりマイラーのためのカードになっている。年会費やポイント移行など年会費無料のカードに比べて維持費が高いが、とりあえず初年度のマイルボーナスをエンジョイすることに。

女満別行きはAIRDOのフライト。ANAとの共同運行らしいが、機体がBEARDOなるキャラクターが描かれたもので、息子がかなりテンション高めでよかった。息子は生まれた年に沖縄に、昨年は一足お先に妻の実家の北海道・小樽、で、今年はまたも北海道、と2歳児なのに、はやくも3度めの飛行機である。私なんか初めて飛行機に乗ったのは、中学2年の家族旅行であって、現代っ子は相当早くから飛行機に乗れるものだ。

2時間ほどのフライトで現地到着。寒い。オリックスレンタカーで車を借りて、まずは朝日ケ丘公園へいく。ガイドブックの写真だと、ひまわりが満開だが、目の前に見えるのはまだ半開きくらいのひまわりばかりでかなりテンションダウン。他方、そのへんにあっためし処で食べたしじみラーメンと豚丼は相当うまく、早くも北海道のグルメのレベルの高さに興奮。

天気は曇りがちだし、とにかく知床方面に行かねば、と早々に公園を後にして、車でひたすら飛ばす。知床グランドホテルに到着したのは夕方である。

思っていたよりでかいホテルで、かなりお客さんも入っているようで、賑わっている。朝、夕が込のプランだったので、飯の心配はなく、部屋でゆっくりする。

温泉が充実しており、その後雨で出歩けなくてもホテルだけでも結構楽しめるのが良い。奥さん評価がその点で高かった。

また、ビュッフェの割には当たりの食材も多く、3日同じ朝、夕食だったが、思っていたより飽きない。種類も豊富で何より。

温泉に入って初夜は早めに就寝。


SEP2
知床半島クルーズ、

前日まで相当天気を気にして、天気予報が変わるたびにクルーズの日時も変更して、とかなり忙しかったが、なんとか朝はそこそこの天気。で、いきなり知床半島クルーズに行くことに。

というか、天気予報が全然当てにならない。くもり、と斜里あたりの天気がいっていても、晴れていたり、雨、と予想がいっていてもくもり止まりだったり。なので、知床半島を主眼とするなら、半島近くのホテルをおすすめしたい。現地天気を目で見て、機動的に行動できる。

知床岬までいく、一番ロングなプラン。事前情報はヒグマが見えるところまでいけば十分で、結構飽きる、という書き込みもネットで見たが、私の場合は、飽きなかった。

というか、ずっと同じと見せかけて、実はいろいろな地形が半島一帯に広がっていて、各々の表情が異なるのだ。でこぼこしたところや滝が流れているところ、ヒグマの棲息するような植生の充実した場所、はたまた岩肌ではなく木々で覆われた最果ての岬など見ていられたし、船上で体感する波の水しぶきの強弱も結構なもので、飽きない。

私の前に座っていた、お一人様の女性もかなり嬉々としていたのを覚えている。

私が行った回では、ヒグマが5頭も見れて、結構レアケースだったらしい。ヒグマの親子が2組と単独のヒグマが1頭。餌を横取りしあわないのは、地域的に餌となる魚が豊富で、取り合う必要がないのだから、だそう。

妻と息子は途中で飽きて寝てしまい{というか息子は船が怖かったらしい}、私の感激はあまり共有できなかったが、、、何はともあれ、長い間念願だった知床半島一帯を海から見ることができてよかった。

ランチは定番のうにいくら丼を食べ、車をとりにホテルへ戻る。


知床五湖へ向かう。10分間の講義のようなものを受けて、五湖の見れる山道を歩いていく。息子はまだ小さいので、途中からだっこ紐でおんぶしていくことに。結構距離があるので、子連れの場合は抱っこ紐があったほうがいいと痛感。また、やや寒いので、はおれるものは持っていたほうがいいかと。

くまに出くわさないよう、手を時折叩きながら進んで行った。

最後に見れる一湖ほどではないにしても、途中で見れる湖については、湖に反射する山々の姿が非常に美しい。一湖はバリアフリー化されており、相当な見せ場となっているので、当然一番綺麗なのだが、知床五湖、すべて見ておいて損はない。

一湖を見渡せる高架歩道からは、半島の先にある海も少し見える。鹿も何気なく歩いていたり、かなり和む。高架歩道のどこからパノラマに見ても、素晴らしい景観ばかりで、知床半島のハイライトであることは間違いない。


半島クルーズで見た断崖絶壁、岩肌、一湖の美しさは、世界自然遺産の価値と頷かざるを得ない。長らく期待値を高めていたのに、その期待をはるかに上回り、本当に満足。



SEP3
釧路湿原

2日目にしてすでに、私の願いはかなってしまい、のこり2日は天候が悪かったときのための予備日でしかなかったため、どうしようかな、と思っていた矢先に、妻から提案で釧路湿原に行くことに。

なんでも、妻のお母様が釧路湿原はいい、といっていたそうで、ならば遠いけども行ってみるかと。電車好きの息子にも、ノロッコ号なる電車が釧路湿原を見渡せる地域を走るそうでいいな、と思い、釧路方面へ車を飛ばす。

120km以上あったと思うが、知床から3時間半くらいはかかったかと思う。足場が悪いと息子がかわいそうなので、バリアフリー化されている展望台へ行った。

ベビーカーで歩いていけたのはいいが、結構坂があるので、大変。とはいえ、昨日の知床五湖をおんぶした時よりは格段に楽だった。

途中の展望台から見える風景は絶景である。ガイドブックに書いてあるとおり、アフリカの大地を見ているよう{といってもアフリカには行ったことがないが}。

点々と丸い木々の塊みたいのがあり、見渡す限り湿原が広がっている。見たことがない光景で、日本離れしている。知床半島のクルーズもかなり日本離れしていたが、北海道はどうやら、相当な自然遺産の宝庫だ。

展望台を後にし、釧路駅で車を駐車して、ノロッコ号に乗る。

少し前に水上に行くときに乗ったSLには見劣りするが、中がかなりレトロな感じで、宮崎駿のアニメに出てくる世界のようだった。

ノロッコ号はその名の通り、のろのろしているからそういう名、と信じられないくらい安直なアナウンスがあり苦笑したが、そうこうしている間にも釧路川が見えたり、そこをカヌーでわたっている人たちが見えたり、不思議な光景。先ほど展望台から見たときの衝撃を超えることはなかったが、展望台から見えた世界をミクロで目の前で見えるような感じは、知床のクルーズと、五湖を徒歩で回る関係に似ている気がした。マクロ、ミクロ、両面で観光資源は楽しめたほうがいいのではないか。



SEP4
神の子池、摩周湖、屈斜路湖、花ふらり

朝遅めに起床。朝食後、露天風呂に入り、ホテルを後に。

天気が不安定で途中霧が立ち込めてきたが、まずは神の子池へ。中国の九寨溝以来のターコイズブルーな水面を楽しめる。妻は見たことない色なので見たいとのこと。九寨溝に行った後だと感動が乏しいが、妻はいたく感動していた様子。

今度は近くの裏摩周展望台へ。生憎の濃霧で何も見えない。濃霧というより雲の中のよう。

残念だが、すぐに第一展望台を目指すものの、霧は晴れず、少し別の地域の屈斜路湖を目指す。途中、妻が以前、クラリネット演奏で来たペンション、花ふらりへ立ち寄る事に。

http://www.hanafurari.jp/

元宝塚の多美さんとご両親で運営されている、見晴らしが素晴らしいペンション。峠等に比べ、低地にあるため、所々晴れ間が見える。ご飯を作ってくださっている間に、山々を眼前にピアノを弾かせていただき、感動。中々できない演奏シチュエーションにかなり興奮した。

ランチが出来上がり、素晴らしい景観を前に家族三人でランチ。この度一番の贅沢なランチだった。

もう少し居たかったが、早々に屈斜路湖へ向かう。美帆峠に行くがまたも濃霧で見えず。辛うじて峠へ行く途中に屈斜路湖が見える箇所があり、少し景観を楽しむ。

時間がすっかりなくなり、女満別空港を目指す。

妻からリクエストで、女満別空港周辺のメルヘンの丘なるところに立ち寄ってから空港にいったが、行きにも行った朝日ケ丘公園周辺の風景は牧歌的で、個人的にはいかにも北海道、という感じがした。


まだこんなところが日本に残っているのか、という喜びを噛み締めた旅であったと思う。


今後訪れる人達にとっても、変わらぬ感動を与え続ける地であって欲しい、と願う。



regards,

Kenji.