正直な話。

Monday, February 11, 2013 - Posted by Knz  at 10:24 PM

このタイミングで学位取得を見送った背景をつづっておこうと思う。
後々思考経緯を振り返るときのために。


大きく分けて4つの面があると思う。
・MBA blogを各学校、1年間ほど読み続けて、知識面, Globalなfieldでの得られるで
あろう想定benefitと卒業後の経済的側面を天秤にかけたこと

・外資コンサルを視野に入れなくなったときに、リアルに考えたcash flowの不確実性
への懸念

・実務面での今後の展望

・家族の面(妻子 + 両親)


この文章をつづる中で、かなり長らく思い抱いてきたことを書いていくので、
あまり整理されている代物ではないと思うが、とにかく吐き出してみる。


MBA blogをOxbridge, IMD, INSEAD, LBSを、IELTSが7.0になった昨年のちょうど今頃
から昨年末くらいまで読み続けた。また、在校生とされる日本人留学生の日本語
Blogも読んでいた。卒業生のものも含め。


もともと、INSEADの卒業生のBlogが面白い、というか、その他MBA卒業した人達の
文章の質が、かなりlatestのtrendをglobalな視野で切り口面白く書いていて、相対
的に非常に高い、と思うことが20代後半で思うことが多く(会計士受験にけりをつけ
たあたりから読み始めていた)、よってもって、自分もMBAを目指すか、というのが
端緒だったと思う。また、当時は外資系企業のback officeの仕事をしていたので、
Globalな環境下においては、日本の相対的な地位低迷により、non MBAとMBA
holderのpromotionのopportunityに相違が如実に出始めていた時期であった(
他の社員はどう感じていたか不明だが、上司も含め、Finance managerは実に
MBA holderばかりになっていた)。ぶっちゃけた話、結構、non MBAでいったら、
将来あまり明るくないな、という風に思っていた。MBAが重要視されない会社に
転職すればいいじゃん、って発想にならず、結構、視野が狭くなっていたのか
もしれない(別にMBAを志向することが視野が狭い、といっているわけではなく
、むしろ今でも行けばその過程で視野はきっと広くなることだろう、というのは
想像するし、MBA holderと話しても視野が広まる、というのが、大事なpointでは
ある、というのはよく聞く)。Globalな環境で生きていくことは面白い、Globalに
borderllessな仕事が格好いい、英語をつかって経営に近い仕事をすることが
格好いい、といった、かなりミーハーな観点があったのではないか、と思われる
。”思われる”、というのはいい加減な響きだが、少々、その当時の感覚も薄れて
きているので、想像も少々入っている。

まあ、単純に言うと、親友との当時の会話とかを思い出すと、リーマンショック
直後くらいだったので、「MBA取っておかないと、将来やばくね???」みたい
な雰囲気が先行していたと思う。実際、考えの変わった今でも、やはり、会社が
ふっとんだときとか、non MBAとMBA holderだったら、履歴書上は評価がMBA
holderに傾くことが多いかなとは思うので、やはり劣勢にはなることだろう。
ただ、この数年で思い知らされているのは、実務経験、実務上出せるperformance
の質、というのは、感覚的にはそれ以上に年々重視されるポイントになっていない
か、というのが、最近の感覚。とはいえ、MBA holderは膨大なタスクを限られた
時間でこなしてきた経験、という非常に実務の環境に近いものを切り抜けてきて
いるので、MBA holder = 実務上のperformanceの質が高い、というのも大いにあり
える話だとは思う。まあ、履歴書の話はこの辺で止めておこう。

とにかく、将来のキャリア形成にとって、positiveな影響を見込んで勉強していた
わけだが、MBAの在校生blogを読み始めたあたりで、「ほんとに意味あんのか
???」という思いが日々膨らむようになっていった。そもそも、戦略コンサル業
にずっと長らく興味があったので、やっぱMBA行った方がいいよね、的な思いを
もっていたので、ある程度割り切って勉強ができていた面は否めない。ただ、
知識面では、日本の公認会計士試験は、財務・管理会計はかなりがっつりや
り、会社法も会計理論もかなりがっつりやる。経営学にはコーポレートファイナ
ンスも入ってるし、Derivativeなんかも財務会計とがっちり連携しながらやる。
おまけに会計士の本分である監査論もあるは、ミクロ・マクロ経済も試験制度
改正前は勉強したし、改正後は税務の世界も垣間見た。この試験の範囲を
がっちり数年間勉強すると、MBAで学べることとしてMBA blogで語られる
数々のtopicというのは、「高い金払って、またやんの?」という思いがふつ
ふつとして沸いてくるのが否めない。もちろん、会計士でMBA holderである
人がどう感じるのか、というのが一番正確な情報元であると思うので、
単純な想像に過ぎないのだが、そう思ってしまうと、またmotivationには
マイナスである。

さらに、よくbusiness schoolの特色として各校、特にEuropeのschoolが喧伝
するdivertityという点について、diversityを標榜した会社のback officeで
global projectを複数経験し、USやASEANの国で他国のstaff、managemenet
と触れ合う機会があったり、日常的に電話会議等をこなしてきたのを踏まえ
ると、globalな感覚を身につける、といのは、実務上、すでに既知なので、
この点でも得られるbenefitはどうなのか、と。まあ、80カ国の人達と
一同に会して、という国連のような状況は経験したことはないですけどね。

極めつけが、これは「甘ったれたこと言ってんじゃない!」と戦略コンサル、
投資銀行勤務経験のある人に怒られそうだし、今の会社の人達にも突っ込
まれそうだが、MBAにいくことで抱えるdebtと、家族を養って、家だの教育費
だのまかなっていくことが本当にできるだけのreturnをもたらす仕事に従事
し続けることは、自身の体力的にはかなりしんどそう(私は少なくとも6時間は
寝ないともたない。正確には持つのだが、生産性が著しく低下し、実務上の
要求にこたえることはおそらく困難。)だし、その間、妻子との関係は崩壊
すると思われる。今でも仕事+勉強+育児・家事、というのは育児・家事が
かなりおろそかになり、年末までの家族との関係は決して望ましいとは
いえないものだった。別に喧嘩ばかりしているわけではなく、落ち着いて
はいるのだが、どこか、家族としての温かみに欠けるというかバラバラな
感じがして、とても妻子にとって理想的な環境をもたせられているとは
言い難かった。

おまけに戦略コンサルの仕事を志望していたのに、春過ぎあたりから、
経営コンサルの方々とprojectで関わることになった際に、コンサルは
事業の主体になれない、というのを間近で見つづけて、ああ、これは
絶対自分は向いてないし、黙ってられない人だから客には好かれない
し、コンサルとしてはうまくいかないだろう、と思うに至った。これまで
転職関連の記事とか見てて、いまいちコンサルの人達がもっと
hands onで事業に関わりたくなって事業会社に転職しました、とかいう
よくある転職理由としてあげている意味を理解できていなかったが、
ああ、こういうことなのか、と。「決めてくれ」と意思決定を求められる
度に、ああ、あなたは所詮社外の人だから決められないのね、と寂し
いを通り越して見ていて情けないpositionだな、、、、そんな仕事に自分
はほんとに就きたいのだろうか?否、という思考を繰り返していた。

また、ベンチャーの経営企画というポジションは、最上位のマネジメント
との関わりもあり、トップのポジションで物を考えるだけではなく、日々
、トップがどういう情報を見聞きして経営判断しているのか、どういうもの
が上層部に決裁案件としてあがって、それを決裁していくのか、どういう
観点で意思決定しているのか、どういう観点で将来を展望しているのか
、という様々な経営者の感覚を30代前半で見聞きすることができている
。中間管理職など飛び越えて直接オーダーが飛んでくることも少なくなく
なってくると、机上の勉強をしているよりも、よっぼどホットで面白く、遣り
甲斐も感じれるようになってくる。とすると、目の前のことを着実にこなし
、実績を積み上げていき、信頼を獲得していくとともに、さらにステップ
アップした仕事にチャレンジしていく、といういい循環に乗っていこう、
という姿勢が当然になってくる。とすると、目の前の仕事が机上の勉強
よりも面白くなってくる。

こうなると、将来外資に行く気はコンサル・投資銀行はなしだろうし、
先方も求めないだろう、また、global headquaterの一員として世界を
視野にどう経営に寄与していくべきか、という今の観点とは異なり、
あくまで現地法人のうちの一社でoperationをひたすらこなす、という
外資系のポジションでの観点にもう一度戻りたいか?否、という問答
が続いていくので、とすると、外資系でアホみたいに高い年収をenjoyする
こともきっと無いかな、と、至極現実的な視点に着地してくる。以前から
blogにつづっているが、経済的側面よりも実務への面白み、興味を最
優先しているので、事業会社で働き続ける前提だと、留学制度とか
ある会社ではないので、妻子抱えて留学費用の返済というのは、
やはり相当現実的では無くなってくる。実際、Excelを年末
に叩いてsimulationしてみて、ああ、こりゃ経済的に子供2人
(今は1人だが2人目ほしいね、と最近話している)が私立に入った
とたんに崩壊するな、と思い知らされた。

さらに続くが、父が年末に心臓・肺周辺でかなりやばい病気を患い、
心臓カテーテル、という手術を経験した姿、状況を見たこともかなり
大きい。幸い、手術は成功し、今は病状は回復途上にあるが、色々な
取引先とのお付き合いの多さやうまいものが好きという、典型的な
成人病の原因をもった人であるので、ある意味反面教師というか、
健康面は最大級に気をつけないと、と、今までの認識をさらに強めた
のである。留学したいのならば一時的に資金面では助けるよ、とも
言ってくれていたのだが、とてもそんなことを頼める状況ではなく
なった。この点も、資金調達はできても、将来どうするか、という点
に大いに懸念をもたせる点となった。また、年を取ってからでなくて
も、大病を患うことになったら、妻子と十分な時間を過ごせていな
かったことを最も悔いるに違いない、と強く感じた。



最後に、子供の教育・躾・遊びへの関与、妻の悩みへの相談相手
としての関与、つまりは、今までおろそかにしていた父、夫としての
役割を見直すべきではないか、という疑問に、そろそろ我慢しきれ
ないものを感じてきたことが挙げられる。

むしろ、この点が一番大きいのではないか、と思う。


実務は結構な忙しさなので、23時過ぎまで会社にいることは前職
に比べれば相当多い。ゆえに、家族とのふれあい、という意味では
、week dayの朝10-15分、週末と祝日・夏・冬休み等、かなり限定的
。もっと楽な会社に行けばいいのかもしれないが、仕事は仕事でちゃ
んとやりたいし、妻もその点は理解をしてくれている。
ただ、週末も勉強で家族とのふれあいがこれまた1時間くらいしか
取れない、というのが2年も続くと、さすがに父、夫としての役割を
果たせていない度合いが我ながら酷い、と思わざるを得ない。
相談できる時間があまりに少ないと、妻が爆発してしまうことは
数度あったし、息子の躾面など見ていても、妻だけでは
やはり限界があり、父親でないとビシッと言い切れず、息子が
uncontrollableになってきた姿を見て、ああ、これでは駄目な子
になってしまう、と最近感じることが増えた。また、父親として気づく
点は少なくなく、やはり、1人の視点だけで育てるのではなく、
父親がしっかりと育児・遊び・躾にも関与していくことが大事だ、
と強く思うに至った。育メン、とか世間で言われるからやる、という
のではなく、自然に見ていて、ああ、これはオレもやらなあかん、
と思う局面が増えただけである。また、妻が爆発した際に常に言われ
続けたのが、「いつも相談できる時間がなくて、どうしていいか分から
なかった」という点で、言われる度に、かなり胸にしこりのようなものが
残り続けた。


こうして書いてみると、短期決戦で勉強にけりをつけ、留学してしま
えばよかったじゃないか、と思う節が自分が見ていてもあるが、実力
・努力不足で望んだレベルのscore makeは至らず、時間が過ぎていっ
たのだなあ、と思う。会計士試験のときはやり切った感があったが、
今回は不完全燃焼で考えが漂流し、中途半端感が否めない。


それでも、家族との時間を大事にし、人生でもっとも大事な人達を
大切に、目の前の仕事にまい進する人生に悪くないじゃないか、
むしろ、今の自分にとっては、それが一番素直な選択ではないか、
という思いに至ったので、MBA留学準備は終了とした。



MBA留学を志すblogや、各school admission、お会いした卒業生の方々
、GMAT予備校の先生方には御礼申し上げたい。



regards,



kenji.