カラダで身につける音楽センス。

Sunday, January 20, 2013 - Posted by Knz  at 1:45 AM
ジムから帰ってきて、妻が珍しく起きて何やら音符をしこしこ書いていたので、もう寝たら?と言って話しかけたら、どうやら今度の講演で話す時に分かりやすい説明をするための仕込みをしていたらしい。

何を説明するためなのか、内容を聞いてみると、順を追って説明すれば資料何かなくても説明できるよ、と軽くアドバイスしてみた。

それを境に堰をきったように悩み相談を持ちかけられた。

どうやら生徒にソルフェージュを教える時に、生徒にどうすれば分かりやすく説明できるのか、分かってもらえるのか、悩んでいるらしい。

妻は高校から国立の某音楽学校で学び、それからはドイツ留学まで含め、敬服するほど専門的に音楽を理論、演奏、共に学んできた人だが、前から疑問だったのは中学は普通の公立でなぜにいきなり飛躍した世界でやっていけたのか、という点。

答えはあっさり返ってきて、三歳からの中学三年までのクラシックバレエと五歳からのピアノに尽きる、という。あまりちゃんと聞いてなかったので、かなりびっくりした、、、。音楽に関しては相当な英才教育を早い段階から受けてきていた、という前提は、成人以後越えようの無い壁として妻の生徒にはだかっている様子。よく頭がいい人が、普通の人だと解けない問題が解けない理由が分からない、というノリに近いと感じ、恐らくその感覚は小さい頃からの積み重ねが、途中から参戦した人には超えがたい、得難いレベルの知見なのではないか、と。

私の場合は幼少期からそれなりに教育投資はかけられてきたものの、マイペースだったので、中途半端にしか身についてないものばかりで、どちらかというと、音楽なり、絵画なりは、はまりにはまって自己流で色々見よう見真似で身につけた経緯しかなく、あまり人に教わった集大成として今の自分がある、という感じでもない。勿論私にも恩師と感じる人達はいるが、どうも妻が出会ってきた人達から授かってきたレベル感とは大いなる相違を感じる。

だいぶ本題からずれてきたが、要は妻は自分の妻だから上げ上げにしてるのではなしに、ある種天才肌なのだ、と今更ながらに悟った、、、。ちょっとやそっとでは越えられない感じ。

で、その妻が言って、ああ、と思ったのは、要はバレエを通じ、身体で身につけた音楽センス、リズム感は、生徒に最も伝えにくいものなんだとか。理論で説明しても、やはり身体で何度も何度も同じクラッシック曲を踊ってきた人が理論と両輪で理解しているレベルは、常人が前提としなければならない点を多くすっ飛ばしているんだろう、と。多分、勉強についても、小さい頃から知識の詰め込みだけではなく、なぜ?何で?という疑問にひたむきに本を探して調べ、知り、さらに考え、わからないことを探求していく、という繰り返しをしてきた子供は、その後の物事の吸収スピードとその前提条件の強靭さが比にならないレベルになっていくものではないだろうか。

また脱線してきたが、妻がリトミック講座にここ二年ほど通って学んできたのは、息子にカラダでリズム感を身につけてもらいたいからだ、という。男でもバレエをさせたい、と前に言っていたことがあったが、理由はそうしたリズム感を身につけさせる重要性を肌で知っているからだ、という。

音楽家なので音で表現することは得意な妻だが、言葉で整然と物事を伝えるのはあまり得意でないので、今日のように何気無い会話から未知のことを理解でき、未だにかなり興味深いが、今後もうまく妻の考えを紐解き、息子に二人から与えられるものを考えて行きたい、と思った。